アジフライチャレンジ
子どもの頃は好きじゃなかったけど、大人になって好きになるもの。
皆さんもいくつかあるだろう。私の場合はアジフライだ。
突然訪れた幸福
今週の月曜日の夕飯はアジフライだった。アジフライに特に思い入れのない私は一人暮らし時代も全く作ろうとは思わなかった。
アジフライに思い入れもなければ、揚げ物をすると、どうしても大量の油の処分方法に困るため、基本的に揚げ物は作らなかった。
アジフライに思い入れが無い、というかあまりいい思い出が無かった。実家で出されていたアジフライは中身がパッサパサだし、小骨が大量に入っていやがって口の中が痛い。パッサパサだからご飯も進まないし、割とがっかりおかずぐらいの立ち位置だった。
しかし、月曜日に食べたアジフライを食べた瞬間世界が変わった。
「なんやこれ、美味すぎる」
かなりジューシーだった。アジフライ=パサパサと思っていたイメージが一新された。しかも、骨もほとんどない。
噛めば肉汁が口の中に広がり、とてつもなく美味しかった。
しかも幸か不幸か、妻がアジフライを食べられないと言った。妻も私と同じようにアジフライに良い思い出が無かったようで、妻はそのアジフライを食べてもイメージは一新されなかったようだ。そのため、2枚の予定だったアジフライを3枚も食べることができた。めちゃくちゃな幸福。
「これどこのアジフライ?」
と聞くと、近所のドラッグストアの冷凍コーナーにあったものだと言う。衣が欠けてある状態で冷凍されていて、揚げるだけでOKの代物。それなのにこんなに美味しいなんて…
冷凍技術は進化してるんだなぁと感じた。
アジフライチャレンジ
その翌日、妻が地元の友達と遊ぶために実家に帰ることになった。
いない間の夕飯の材料を買っておくから欲しいものを教えてほしいと言われたため、
「アジフライ!!!」
と答えた。
また食べるの?と呆れられつつも、同じ冷凍のアジフライを買ってくれた。
そして、昨日の夕飯で自分でアジフライを揚げてみた。
フライパンに油をひいて、冷凍のまま放り込むだけの単純作業。
アジフライを作ったことのない身からしてもこの上なく簡単に作れた。
出来上がったアジフライを食べてみると、
「あれ、なんかパッサパサやぞ…?」
同じ揚げ方をしたはずなのに、パサパサやんけ。どうなってんねんこれ…
本当に全然違った。美味しくないわけではないが、パッサパサになってしまった。
たまたまハズレを引いてしまったのか、まぁもう2枚あるし明日リベンジやな、と思い、今日の夕飯にまたアジフライチャレンジをした。
「またパッサパサやんけ…」
なんでや。昨日は揚げすぎたからパサパサになったのかなと思い、今日は揚げ時間を短くしてみた。でもなぜかパッサパサ。え、なんで?
パッサパサのアジフライを食べながら、揚げ物ほとんどしたことない自分とこれまで1年間毎日欠かさず料理をしてくれた妻とは腕前の違い実感した。
同じフライパンで、同じアジフライだったが、自分にはない絶妙な感覚で揚げてくれていたんだろう。
帰ってきたら、アジフライの揚げ方を伝授してもらわなければ。
謎に感謝の気持ちが込み上げたアジフライチャレンジだった。
ここまで読んでいただきありがとうございました。